2011年05月20日

藤沼ダム決壊事故について

東日本大震災で被害を受けられた方々に心からお見舞いを申し上げます。

今回のあまりにも大きな震災では、地震による建築物やインフラへの被害、津波による未曾有の被害、そして福島第一原子力発電所事故の3つが主な災害として報道されているけど、もうひとつ見逃せない事故が起こっている。

福島県須賀川市に設置されている農業用アースダム、藤沼ダムが決壊し、下流で7名の死者、1名の行方不明者を出してしまった。まだ地震との因果関係が証明されたとは聞いていないけど、激しい揺れの直後にダムの方から大量の水が流れてきた、という地元の方の証言もあるようで、地震によって藤沼ダムが何らかのダメージを受け、決壊に至ったと考えて間違いないだろう。

津波と原発の陰に隠れてあまり報道されないこのニュース、地震国であり全国的に無数のアースダムが造られている日本では決して他人事でなく、ダム関係者やわれわれダム好きにとどまらず、全国民がもっと詳しく知らなければならないと思っている。

藤沼ダムは高さ17.5m、長さ133m、総貯水量150万㎥の農業用水専用アースダム(均一型フィルダム)で、地元の土地改良区が管理していることからも分かる通り、極めて小さい範囲に水を供給するため池といった存在だ。高さ、長さともにアースダムとしては平均的な大きさで、総貯水量も少なくはないが、ケタ一つ多いアースダムも数多くある、といった感じ。つまりどこにでもある普通のため池ダムだったようだ。

藤沼ダム【福島県】 - ダム便覧
http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=0483
アースダム - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/アースダム

僕は以前、近くのダムをめぐったことはあるものの、時間の都合で藤沼ダムには立ち寄らなかった。いまさらだけど、かなり後悔している。

この事故の詳細としては、今のところ土木学会ホームページ内に調査速報が、
http://committees.jsce.or.jp/2011quake/node/31
福島大学の流域環境システム研究室によるアースダム調査に巡検速報が、
http://sites.google.com/site/kawawater/tameike
個人ではお馴染み「ダム日和」のtakaneさんが詳細なまとめを作られている。
http://d.hatena.ne.jp/dambiyori/20110323/1300889800

実は日本では過去にも人命に関わるダムの決壊事故が起きているけど、ほとんどが計画を上回る大雨であったり施工の不良だったりで、地震によるダムの決壊で死者が出たのは明治維新以降初めてではないかと思う。

僕個人としては、自分が愛してやまないダムというものが、原因はどうあれ、この現代に壊れて人的被害を出したということに大きなショックを受けた。

そしてこの報道を聞いたあとずっと、現地に行くべきか否か迷っていた。単なるダム好きというだけでなく、ダムの構造や役割、そして魅力をたくさんの人に伝えようとしてきた者として、これからもダムと付き合って行く上でこの事故は目を逸らして通れないのではないか。しかし専門家でもない自分が被災地に行くことは迷惑なのではないか、結局個人的な興味本位ではないのか、といった葛藤があった。

でも地震から2ヶ月経ち、いろいろな人の報告を読んだり聞いたりして、徐々に落ち着きつつあるらしい決壊被災地の状況、逆に地震当日と変わらず無惨な姿を晒し続けている藤沼ダムの様子を知り、ともかく行けるところまで行ってみようと思い立った。こんな重い気持ちでダムに向かったのは初めてだ。

地震の影響で路面に大きなうねりが残る東北自動車道を降り、ダムのある須賀川市長沼地域に入ると、あちこちで道路や建物にも被害が出ているのが目についた。道路脇の擁壁が崩れていたり、ほとんどの瓦屋根は鬼瓦や冠振がダメージを受けてビニールシートがかけられていて、土壁が崩れ落ちた土蔵も数多く見かけた。しかし倒壊した家やビルを見かけることはなく、注意して見回さないと「被災地」という印象はなかった。

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道路沿いの擁壁が崩れていた

藤沼ダムに向かう道は2方向から伸びている。


大きな地図で見る

堤体は北東側にある斜めの直線部分で、東側から堤体のすぐ脇に出る道と、南西から貯水池の上流部に出る道がある。とりあえず東側から伸びる道から向かったところ、これから登りに入る、という地点でバリケードがあり、通行止めの看板が。

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「藤沼湖自然公園」と書かれた石碑

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通行止めのバリケードだけど厳重ではない

脇には正体不明の観音像が建っていて、近くまで行ってみると地元の方が自費で建立したもののようだった。事故とは関係ないとはいえ、この方がいまどんな気持ちでいらっしゃるか考えると胸が痛む。

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森の中に建つ白い観音像

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けっこう充実した自然公園のようだ

通行止めのバリケードに立入禁止とは書かれていないので徒歩ならOKかな、と判断して先に進んだ。湖畔に向かって登る道は、真新しい亀裂が入っていたり陥没している場所もあるけど、特に大きな損壊はなく、切り通しの斜面も見る限りまったく変化はなかった。

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右側が谷になっている場所に大きな亀裂が

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中心部は小さく陥没していた

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しかしそれ以外に目立った損壊は見られず

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坂を登り切ると視界が開け、湖畔に出る

坂を登り切ると目の前が開け、藤沼ダム湖の湖畔に出た。そしてそこで、頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けた。
事前調査で写真を見ていたとは言え、湖に湛えられていた水がすべて消えてなくなり、決して人目に触れることのなかった茶色い湖底がその姿を露にしていた光景はやっぱりショックだった。

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本当に「完全にカラ」になってしまった貯水池

そして、すぐ脇に目をやると湖畔を通っていたはずの道路が完全に崩れ、貯水池の中に落ち込んでいた。実はここ、尾根の低い部分を支える副堤体で、そのうち3分の2ほどが跡形もなく壊れていた。ひょっとして主堤体が決壊しなかったら、こちらにもっと水圧がかかって限界を超えていたかも知れない。もしここが決壊していたら、僕が登ってきた道を水が駆け下りて、長沼中心部に直接濁流が押し寄せていた可能性もある。

結果的に決壊の一歩手前で踏みとどまった副堤体は、完全に流出して跡形もなくなった主堤体が崩壊に至った解析の手がかりになるだろう。

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半分程度崩れた副堤体

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たぶん本当にギリギリだったと思う

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道路が通っていたはずだけど跡形もない

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ほとんど貯水池側に落ち込んでいる

副堤体のすぐ直下には倉庫のような建物がある。よく見ると壁が一部崩れていて、これが地震によるものか分からないけど、一時的に副堤体を水が乗り越えて直撃した可能性もあるかも知れない、と思ってぞっとした。

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すぐ下流に倉庫のような建物が

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原因は不明だけど壁が一部壊れていた

そこから湖畔だった場所を通る道に沿って主堤体の方に歩いて行く。路面にはやっぱりところどころ亀裂があるけど、大きなダメージを受けている場所はなさそうだった。

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たぶん奇麗な湖畔道路だったんだろう

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小さい亀裂は何ヶ所かあった

カーブを曲がると、目の前に赤茶けた土がむき出しのV字谷が現れた。歩いてきた道は、その谷に差しかかるところでスッパリ消えていた。

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道がスッパリなくなっていた

ここが、藤沼ダムの堤体があった場所だ。
僕はもうここで完全に言葉を失った。あまりにも現実離れした、むごい、悲しい光景。

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ちょうど堤体がそっくりそのまま消えている

向こう岸を見ると、同じように道が寸断されている。その、向こう岸とこちら側をまっすぐに結んで、そこから上流側と下流側になだらかな斜辺を降ろしたような形をしたアースダムが、ごっそりなくなっていた。崩れただけではなく、あふれた水にすべて流されて、ちょうど堤体の形に切り欠きができ上がっていた。

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堤体の形の切り欠き

正直この状況を瞬時には理解できず「本当にこんなことが起こるんだ」と妙に冷静な感想が出てきた。

そのまま下流方向に目を向けると、木々がなぎ倒され、妙に広い空間が先の方まで続いていた。ここを、すべての貯水池の水が短時間のうちに流れていったのだ。

いったい、あの地震のあったとき、ここでどんなことが起こり、どうして藤沼ダムは消えてしまったのか。しばらく眺めていたけど素人の僕にはまったく想像がつかず、向こう岸からも見てみようと車に戻って南西方向からダムに伸びる道に向かった。

結論から書くと、南西方向から伸びる道は湖畔にある「水と緑のふれあいランド」前までは来られるけど、そこから堤体までのおよそ1キロは通行止め、そしてこちらはバッチリ「立入禁止」の文字があった。誰が書いたか分からないこんな看板に法的拘束力はないと思いつつも、万が一の場合人に迷惑をかけてしまうと思い、立ち入りできなかった。湖畔公園もすべてロープが張られて立入禁止。公園の向こうには水のなくなった湖底が広がっていた。

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左岸側は大幅に立入禁止

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トイレの浄化槽?が浮き上がって段差ができていた

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公園も全面立入禁止

その後、ちょっと気が引けたけど、ダムから流れ出た水が直撃した下流の街に行ってみた。まず目についたのは、今も道路脇などに積み上がる瓦礫。川からあふれ出た水が道路や家にも押し寄せたらしい。

そして川に架かる橋。まだ真新しい橋は欄干を支えるH鋼の柱がぐにゃっと曲がっていたり、根元から引きちぎられていたり、ボルトとナットがついたまま抜けてしまっていたり、土台ごとなくなったり、計り知れない力で原形をとどめないほど破壊されていた。

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橋の上から上流を見ても下流を見ても、河床部や護岸もかなりのダメージを受けている。

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周辺にはどのように集落があったのか分からないので詳しく書けないけど、川岸の家の何軒かは流され、痛んだ家も数多く見受けられた。

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数キロ下流の橋に行ってみると、橋の脇に上流から流れてきたであろう瓦礫の山ができていた。そして堤防や河床部は大きくえぐられた跡がいくつもあった。堤防の外側にも削られたような跡があって、目の前の田んぼが泥だらけのところを見ると、ひょっとしたらこのあたりでも氾濫が起きたのかも知れない。

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最後にダムのある支流が江花川本流に合流するところまで来た。ここまで来ても支流の方は堤防が削られて土嚢が積んであり、河床部には変形したタイヤなどさまざまな瓦礫が転がっていた。

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以上が僕の見た藤沼ダム決壊事故現場の様子だ。読んでくれた方が現地に行ったのと同じ情報が得られるように、なるべく客観的に見てきたものをそのまま書こうと思ったけど、どうしても感情的になってしまう部分もあったと思う。

どうしても分からないのは、今回の地震でなぜ藤沼ダムが、そして、なぜ藤沼ダムだけが決壊したのか、ということだ。もっと震源に近い場所にも多くのアースダムはあるけど、今回の地震で決壊したのはここだけ。しかも主堤体だけでなく副堤体も大きなダメージを受けていることから、あの貯水池の周辺が特に強く揺れたか、もしくはダムにダメージを与えやすい揺れ方をした可能性があるかも知れない。

今回の事故を受けて、アースダムの強度や危機管理方法の見直しは必ず必要になると思う。現地の看板によると、藤沼ダムは昭和24年に完成して以降、これまでに4回改修工事が行われ、そのたびに補強されてきた。それがあっさり崩れてしまったことは決して見逃してはならない。

最初の方にリンクした福島大学流域環境システム研究室のアースダム調査によると、福島県内には決壊には至らないまでも比較的大きなダメージを受けたアースダムも多い。コンクリートダムやロックフィルダムの決壊はまずないと思うけど、アースダムの下流に暮らす方々は今までよりも危険度の認識を上げるべき、というのは言いすぎだろうか。でも、例えばアースダムは堤体内部に複数のセンサーを設置して、地震のときなどにセンサーが異常な動きを捉えたら、すぐさま下流に警報を出す、といった対策は必要ではないだろうか。

とにかく、どんな形式であれ、そして原因が何であれ、ダムが壊れるとこんなことが起こってしまう、という強烈な事実はすべてのダム関係者やダム好きが直視しなければならない。月並みなまとめだけど、今回の事故を徹底的に解明して、より安全なダムづくり、ダム管理をしてほしいと思う。
posted by 萩原雅紀 at 02:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ダムめぐり

2011年04月01日

志津見ダムを観て思ったこと/ダムのデザイン

島根県に建設されている志津見ダムの試験湛水が満水を迎え、滅多に見られない堤頂越流をするとのことだったので見に行ってきた。

仕事を終えたあと広島行き新幹線の最終に飛び乗り、夜中の12時からレンタカーを借りて向かった。現地に着いたのは3時だったけど、監視用の照明に煌々と照らされて、管理橋なしの全面越流堤という珍しい形のダムが、轟音とともに放流している姿が闇に浮かび上がっていた。かなり興奮した。

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実は志津見ダムの詳細を知ったのは割と最近なので、具体的にどんな形なのか、現地に来るまであまりよく知らなかった。

ひととおり撮影したあと夜が明けるまで車の中で仮眠して、明るくなってからふたたび撮影するために堤体の下流側正面に立った。

そして堤体をじっくり眺めたとき、雰囲気がどこかのダムに似ているなと思った。

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志津見ダムは天端に管理橋がなく、その代わり越流時に水没する管理用道路が通っている。日本のダムでは非常に珍しい。

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でも、同じ方式を採用しているダムを僕は海外で1つ知っている。イギリス、ウェールズ地方のClywedogダムだ。

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最初に見つけたとき、逆にアーチしているダムだ!と思って興奮したのだけど、写真をよくよく見たら天端が凹んで道路になっていることに気づいて、さらに興奮した。いま僕が海外で行きたいダム3本の指に入っている。残りの2つはまたいずれ。

志津見ダムを眺めながらClywedogダムを思い出して、連鎖的に雰囲気が似ているダムも思い出した。なぜ連鎖したかと言うと、そのダムも同じくウェールズ地方なのだ。エラン・バレーにあるPeny Garregダム。

画像検索

というか、エラン・バレーにあるいくつかの水道用ダムすべてに似た雰囲気があると思う。

画像検索

少し話が飛ぶけど、僕はダムを見てまわるようになって、形式とか役割とかをどんどん知っていくのも楽しかったけど、ある時からそのダムのデザインの根源を知りたい、ということに強く興味が湧いた。キッカケは確か九州で上椎葉ダムと一ツ瀬ダムを観たときだったと思う。

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アーチ式で、両端に設置されたクレストゲートからスキージャンプ台が伸びる、というそのシルエットは全国的に見てもそうはなく、偶然とか効率とか予算とか、そういったダムの外観を決めるファクターをすべて吹き飛ばし、明らかに「誰かの意思」が感じられたのだ。誰かが意識的に似せて造ったと思った。

なぜかと言うと、上椎葉ダムと一ツ瀬ダムはどちらも九州電力の発電用ダムで、上椎葉ダムが日本で初めての巨大アーチダムとして1955年に竣工、さらに巨大な一ツ瀬ダムはその5年後の1960年に着工し、1963年に竣工した。

九州電力としては、一ツ瀬ダムのデザインを考えるときに、それまでエースだった上椎葉ダムにオマージュを捧げたのではないか。そして一ツ瀬ダムを上椎葉ダムの後継者として世間にアピールする意味があったのではないか。

話が飛躍しすぎですか。

でもこの推理は正しかった。数年後、当時建設に携わっていた方とお話をさせていただく機会があり、一ツ瀬ダムのシルエットは上椎葉ダムを意識して描かれた、という資料を見せていただいたのだ。これは小躍りした。踊りまくった。

さらに、一ツ瀬ダムはほかにもデザインに明らかなこだわりが見られる。たとえば天端の柵よりも上に構造物を出さず、まるですり切ったかのようにゲートの機械室が一直線にラインを合わせてあるなんて、人の意思がなければ描き上がらない図面だ。

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さらに言えば、オリフィス用の予備ゲートはクレストゲート脇のボックスに収納され、人目につかない配慮がなされている。ってこんな配慮、ほかのダムでは見たことない。上流側の壁面に貼りついているのがあたりまえだ。

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もうひとつ、一ツ瀬ダムの下流で発電所の激しい放流を受け止め、逆調整して下流に流す杉安ダムというダムがある。このダムがアーチダムなのだけど、高さや幅で見る限り、別にアーチで設計しなくても重力式でいいのではないかと思うのだ。

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当然これは素人の目だけど、重力式で造ってもそれほどコンクリートの使用量は変わらないのでは、むしろアーチで設計する方が手間もコストもかかってしまうのではないか、と思った。そして思い浮かんだ「人の意思」。

一ツ瀬ダムと杉安ダム、大規模発電用ダムと逆調整ダムはある意味コンビだ。このコンビで、形式を同じにしたかったのではないか。

これは確認していないのであくまで僕の推測だ。そして、このまま真実は知らなくていいと思っている。そうなんだろう、と勝手に思っていた方が、いろいろ思い入れも深くなるというものだ。

さて、それでようやく志津見ダムに話が戻る。
もちろんデザインした人にはまだ話を聞いていないけど、その根源にはウェールズ地方のいくつかのダムの要素を取り入れたのではないか、と僕は勝手に予想している。

もしそうなら、その人とは旨い酒が飲めそうだ。いや、僕は酒飲めないけど、ダムのデザインで一晩語り明かしたい。

それにしても、中国地方は志津見ダム、苫田ダム、灰塚ダム、土師ダムの直轄軍団に発電の新成羽川ダム、補助の千屋ダムと、いつの間にかデザインのすごいダムが勢揃いする一大ダムめぐりスポットになってしまった。また行かなきゃ。
posted by 萩原雅紀 at 01:31| Comment(1) | TrackBack(0) | ダムめぐり

2011年01月15日

デイリーポータルに書いたダム関係記事

4年ほど前から、@niftyが運営する楽しい読み物サイト「デイリーポータルZ(http://portal.nifty.com/)」で定期的にライターとして記事を書かせてもらっています。僕の記事なので当然ダムネタもいくつかあって、そういえばいままで自分のサイトでちゃんと紹介したことがなかったなあ、と思ったので、これまでに書いたダムや水路や川関係の記事をピックアップしてまとめてみました。

決して更新がままならない間の繋ぎ、というわけではありませんが、読んだことない方はぜひ読んでみてください。

「ダムめぐりのススメ」
http://portal.nifty.com/2007/03/17/c/
デイリーポータルでライターとしてのデビュー作。なのにいきなり大勢を引き連れてダムに行くという大胆不敵な企画。いろいろ予期しないハプニングがあってプレッシャーに押しつぶされそうになりました。(2007年3月17日)

「気になる堰、そして円筒分水へ」
http://portal.nifty.com/2007/05/18/b/
ダムではないですが、いつも見ていた堰から伸びる水路をたどっていった話。最後にはびっくりするものも登場します、ってタイトルに書いてありますが。(2007年5月18日)

「ダム穴を作ってみた」
http://portal.nifty.com/2007/09/06/b/
その当時で既に話題のピークが過ぎつつあった「ダム穴」を自宅の風呂に作成。すごい大雨とたたかうダム管理所の物語を描きました。風呂に水を貯めながら。(2007年9月6日)

「水車がでかい」
http://portal.nifty.com/2007/10/18/b/
岐阜県のダムをめぐっていたら日本一大きな水車を見つけました。ダムはともかく、水車とどう接していいか分からない筆者の葛藤をご覧ください。(2007年10月18日)

「ダムの研究所」
http://portal.nifty.com/2008/01/31/b/
とあるダム関係者のお誘いで、浦和にあるダムの研究開発の施設を見学させてもらったレポート。子供のころ砂場で水路やダムを造って遊んだ、あれを大人が超本気でやっている場所です。(2008年1月31日)

「ふつうの日記を日本史風に」
http://portal.nifty.com/2008/03/13/a/
またもや岐阜のダムをめぐりながらのネタ造り。ダムとはまったく関係ありませんが、ちょっとした日本史的思いつきを実戦して見事に悶死した記録です。(2008年3月13日)

「ダムの意識調査〜標準的ダムとは〜」
http://portal.nifty.com/2008/04/24/b/
人々はあまりにもダムに対して無頓着である。アーチの向きが逆なのは当たり前、放流が好きだ放流が見たいと言っても、じゃあ放流がどこからどうやって流れているか理解しているか。これを読めば明らかである。(2008年4月24日)

「円筒分水とかっこいい水路」
http://portal.nifty.com/2008/06/26/b/
ダムではなく円筒分水を観に行ったレポートですが、最後に偶然見つけた水路があまりにかっこよくて記事のメインに。普段のダム記事以上にやたら多くはてなブックマークされていて嬉しいけど悔しい。(2008年6月26日)

「コンクリートのダイヤモンドヘッド」
http://portal.nifty.com/2008/09/18/b/
ダム用語にはかっこいいものが多いけど、特に中空重力式ダムの内部にあるダイヤモンドヘッドは文字通り頂点だと思う。それはともかく、毎日数万のページビューがあるサイトで国内に13基しかない中空重力式ダムの解説ができて非常に満足です。(2008年9月18日)

「武蔵水路を歩く」
http://portal.nifty.com/2008/11/13/b/
東京の水の命綱、利根川から荒川に水を引く武蔵水路を、職員の方の解説つきで見学させてもらったレポートですが、とにかく「小学校社会科の教科書に載ってたような挿絵」が描きたかったのが記事化の最大の理由。(2008年11月13日)

「東京大学で講演してきた」
http://portal.nifty.com/2008/12/11/b/
「ダム工学会」の計らいで、あの東大でダムのプロ達を前にダムに関する講演をさせてもらう、という、いま思い出しても心臓が縮み上がるような経験の追憶。講演の内容はどうでもいい、何しろその日僕は思いっきりラフな私服だったのだ。(2008年12月11日)

「24時間365日、中和される川」
http://portal.nifty.com/2009/04/23/b/
強酸性で死の川と呼ばれた吾妻川の支流、湯川。ここで稼働する中和施設とその中和反応の受け皿である品木ダムの見学記。まさかこのおよそ半年後にここがあんな大騒ぎになるとは、このときは思いもしませんでした。(2009年4月23日)

「水圧鉄管が通る街」
http://portal.nifty.com/2009/06/04/b/
ダム好きとしてはポピュラーすぎてスルーしていた佐久発電所のサージタンク付近を改めて観てまわってみたら、あらなんだかかっこいいじゃないですか、と気づいてしまった記事。それにしても水圧鉄管がこれほどウケるとは予想していなかった。(2009年6月4日)

「777のコックピットに座ってきた」
http://portal.nifty.com/2009/06/18/b/
アメリカ生まれで世界最大級、あの777のコックピットに座ることができました!なぜそれがダム記事なのかというと、取材した場所が岩手県の胆沢ダム建設工事現場だったから。「ロックフィルダムがどう造られているのか」も分かりますよ。(2009年6月18日)

「スイスのダムめぐり(前編)」
http://portal.nifty.com/2009/08/13/b/
2009年7月末から8月初旬にかけて、ひとりで10日間スイスにダムめぐりに行ってしまいました。日本からは往復の航空券とレンタカーとホテルだけ予約して、あとは完全に自由行動。来る日も来る日もスイスのダムばかりを見てきました。(2009年8月13日)

「世界一のコンクリートダムを見てきた」
http://portal.nifty.com/2009/08/27/b/
どうしてスイスかと言えば、海外初心者がひとりでも安全に旅行でき、小さな国土に巨大ダムが密集し、そしてこの世界最大のコンクリートダムがあったから。確かにそれは、今までに観たどんなダムよりも巨大で圧倒されて感動しました。スイスに行ったらぜったい寄るべき。(2009年8月27日)

「ジェームス・ボンドがバンジーしたダム」
http://portal.nifty.com/2009/09/10/b/
スイスダムめぐりの最終回。映画「007ゴールデンアイ」のオープニングで登場する最高にかっこいいアーチダムは、実はスイスのダム。ぜったい見たいと思って行ってみると、スイス人の意外な商売根性に驚愕。そのほか、スイス南部〜東部のアーチダムを満載。(2009年9月10日)

「初日の出をダムで見る」
http://portal.nifty.com/2010/01/07/b/
一年の計は元旦にあり。ということで、一年間の無事で充実したダムめぐりを祈って、ダムで初日の出を拝もうと思いました。そのためには、自宅から近く、東向きで、正面が開けているダムでなくてはならない。そんなダムがあるのか。そして初日の出は見られるのか。(2010年1月7日)

「地元密着の町営ダムめぐり 〜2010年シーズンに向けた自主トレを開始〜」
http://portal.nifty.com/2010/02/18/b/
冬の間のスポーツニュースでプロ野球選手の自主トレの話題とか出すよな〜、あれってどうでもいいよな〜、ダム好きだって冬の間は雪のない地域のダムを見るよな〜、あれって自主トレみたいなもんだよな〜、だったら自主トレ風に記事にしてもいいよな〜。(2010年2月18日)

「高さ日本2位のダムを知っていますか」
http://portal.nifty.com/2010/06/03/a/
これを読んでいる皆さんはもうご存知だと思う、あの黒部ダムに次ぐ高さ日本2位のダム。カリスマ創業者を陰で支える参謀のような存在、少し前までネット上に写真が1枚もなかったあのダムを、アクセスからディテールから周辺の見どころまで詳細にレポートしました。(2010年6月3日)

「崩れ続ける山、「崩壊地」を観に行った」
http://portal.nifty.com/2010/09/09/b/
珍しく貯水ダムがない一級河川、安倍川。しかしダムがないのには理由があった。流域の地質がとにかく脆く、土砂の流出が止まらないのだ。だから砂防ダムは数多い。そしてその安倍川の最上流には、土砂流出の大ボスと言える、日本三大崩壊地のひとつ、大谷崩れがあった。(2010年9月9日)

「電車やバスでダムに行こう」
http://portal.nifty.com/2010/11/25/a/
ダムには行きたい、でも免許も車もないから無理。という人は多いと思う。でもちょっと待って。車を使わなくても、電車やバスなどの公共交通機関を乗り継げば行けるダムもあるのです。そこまでして行く必要があるかどうかはともかく、いくつかのダムに実際に行って証明しました。(2010年11月25日)

「ダムの形式を解説します(人体で)」
http://portal.nifty.com/2010/12/23/a/
重力式、アーチ式、ロックフィル、バットレス...、ダムの形式はいろいろあるけど、その構造をちゃんと説明するのは難しい。と思っていたら、すごくいい方法を発見した。組体操のように、数人でダムを造って実際に水圧を受け止めてみるのだ。(2010年12月23日)

「こんなダムグッズがほしい!」
http://portal.nifty.com/2011/01/13/b/
ダムを好きになっても、実際にダムに行ったりダムカードを集めたりする以外にダムを愛でられる方法がない。ダムをモチーフとしたグッズがほとんどないからだ。そこで、こんなダムグッズがあったらいいと思うものをいくつか提案します。(2011年1月13日)
posted by 萩原雅紀 at 02:01| Comment(1) | TrackBack(0) | お知らせ

2010年11月14日

ひさびさ更新

たいへんご無沙汰しています。
またまた放置していましたが、相変わらず元気でダムにも行っています。

いまさらですが、ダムサイトは去る9月8日に開設10周年を迎えました。
とは言っても積極的に更新していたのは最初の3〜4年なので何もめでたくはないのですが。
今後も、地味に地道に続けて行こうと気持ちを新たにした次第です。

ひさびさの更新は、新潟県に新しくできたダムで11月12日に行われた試験放流の模様を速報で。
そして、当サイト初の海外ダムを2基掲載。

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というわけで、
広神ダム(新潟県/信濃川水系)、
Hongrinダム(スイス/ライン川水系)、
Emossonダム(スイス/ローヌ川水系)
を追加。

作りかけのデータがいくつかあるので、気力がまた減退しないうちに次回更新の作業を始めます。
posted by 萩原雅紀 at 01:32| Comment(1) | TrackBack(0) | 更新履歴

2009年12月26日

ダムナイト3

こんにちは。
またまたすっかりご無沙汰してしまいました。
今回も更新はなく、イベントのお知らせです。
しかも開催日がなんと、明日です(本当にすいません)。

ダムナイト3 -大忘堰会-
http://tcc.nifty.com/cs/catalog/tcc_schedule/catalog_091119202688_1.htm
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僕のほかに、「ダム日和」のtakaneさん、「雀の社会科見学帖」の夜雀さん、「Dam's room」のふかちゃんさん、そしてダム王子の琉くんが出演します。
内容は各出演者によるダムプレゼン、ダム動画放映、そして恒例のダム画像を見ながらあーだこーだ言うダムトークなどです。
いろいろあった今年のダムシーンはこれで締めくくり!
楽しく飲んで食べながらダムだけのトークライブ、ぜひ観に来てください。

ご連絡遅くなって本当にすみません。
今後ともよろしくお願いいたします。
posted by 萩原雅紀 at 05:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

2009年05月27日

薗原ダム

今度は群馬県の薗原ダムがクレスト点検放流するとの情報を入手、仕事を半ば強引に休んで行ってきました。

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ここは4門のクレストゲートから伸びた導流部がダイナミックにスキージャンプするという形式で、前からクレスト放流を観てみたいと思っていました。実は昨年も行われていたみたいですが。

平日昼間にも関わらず、観客が20人くらいいました。
みんな、仕事は大丈夫なのでしょうか。

さいきん徐々に開かずのクレストから放流するダムが増えてきて、嬉しいやら戸惑うやらです。次はきっと二瀬ダムですよね?関東地整さん!

posted by 萩原雅紀 at 22:46| Comment(0) | TrackBack(0) | ダムめぐり

2009年05月10日

玉川ダム

秋田県の玉川ダムが、管理開始以来初めてのクレスト放流を行うとのことで観に行ってきました。

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かなり巨大な堤体なので迫力満点で素晴らしかったです。
隣で記録写真を撮っていた職員の方が「初めて観た…」と呟いたのが印象的でした。
明日の日曜日も行う予定なので、お近くの方はぜひ観に行ってください!

すぐ下流の鎧畑ダムもクレスト放流してましたが、職員の方によるとこちらは毎年融雪期に行っているそう。

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さいきん徐々に開かずのクレストから放流するダムが増えてきて、嬉しいやら戸惑うやらです。次はきっと湯田ダムですよね?東北地整さん!

この模様は近く掲載しますのでお楽しみに。
というか、この欄はこう使えば良かったのか。
posted by 萩原雅紀 at 00:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ダムめぐり

2009年04月22日

ダムイベントやります

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あちこちのダムで融雪放流もはじまり、いよいよ今年のダムシーズンも開幕!
そこで、ひさびさにダムトークライブやります。

最大16連休もできる今年のゴールデンウィークの中盤、お台場でダムを見ませんか。
1年ぶりにダム好きが集結し、全国から選りすぐりのダムをご紹介。連休後半のお出かけ先を提案します。高速のETC割引と定額給付金でダムに行こう!
また、スペシャルゲストに現役のダム技術者が登場!
普段は聞けない、ダムのナマの話をお届けします。

「ダムナイト〜ゴールデンウィークにお台場でダム!!〜」
日時:2009年5月5日(木祝)17時開場/18時開演/21時終演予定
会場:東京カルチャーカルチャー(http://tcc.nifty.com/
前売券:\2,000/当日券:\2,500(共に飲食代別途必要・ドリンク\400〜)

出演:萩原雅紀(ダムサイト
   takane(ダム日和
   琉(Dam Japan)

ゲスト:現役ダム技術者(当日発表!)

詳細は以下にて。
http://tcc.nifty.com/cs/catalog/tcc_schedule/catalog_090408202294_1.htm

イベントのネタ集め用に僕も今年のダムめぐり始動しました。
どうぞよろしくお願いします。
posted by 萩原雅紀 at 02:49| Comment(3) | TrackBack(0) | お知らせ

2009年04月01日

エイプリルフール

いろいろなサイトで毎年恒例のイベントが行われていますが、我らダム関係では、Dam Mapsの作者としても知られるダム日和のtakaneさんが作成したどこでもダムが出色の出来。
このあと仕事が手につかなくなることうけあいです。

使い方はこちら
posted by 萩原雅紀 at 14:33| Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせ

2009年03月06日

超ひさびさの更新

ほんとうにご無沙汰しています。皆様覚えてますでしょうか。
DVDやら写真集やらその他もろもろで、本家のサイトを放置してしまいました。

通常更新としてはなんと3年ぶりです。
この間、ダム界もいろいろな動きがあり、ダム系サイトも増え、メディアでダムが取り上げられることも多くなりました。
僕も初心に戻って、マジメにサイト運営していかなくちゃなあ、と思いました。
よろしくお願いいたします。

ちなみに更新履歴とお知らせをこんなブログにしてみましたが、あまり気に入っていないので以前のに戻すかもしれません。

yokoyamaentei.jpgたくさんあるストックの中から、今回は岐阜県の揖斐川に設置された4ダムを追加。
超貴重なクレスト放流シーンも収めてあります。

というわけで、
西平ダム(岐阜県/揖斐川)、久世ダム(岐阜県/揖斐川)、
横山ダム(岐阜県/揖斐川)、徳山ダム(岐阜県/揖斐川)
を追加。

リンクが2件増えました。

写真は徳山ダム建設にまつわる混乱の中で、杉原ダム建設中止に伴い一命をとりとめたイビデン杉原堰堤。

次回は北海道のダムを追加予定です。
posted by 萩原雅紀 at 04:01| Comment(4) | TrackBack(0) | 更新履歴